※長文につき、興味のない方や読みたくない方は読まないでください。 また、ご迷惑でしたら直ちに削除していただいて構いません。 アメリカ沿岸警備隊(USCG)の船舶は通常『カッター』と呼ばれるような気がするのに、『MLB』ってなんだろう・・・ということで調べてみました。 MLBとは『Motor Lifeboat』の略で、直訳すれば『救命艇』、意訳すれば『救難艇』と呼ばれる小型のボートのことでした。 カッターとはアメリカ沿岸警備隊では長さ65フィート(約20m)以上の船舶に対して呼ばれるそうで、この救難艇は47フィート(正確には47フィート11インチ、14.6 m)しかないために、カッターではなく、ボートに分類されるそうです。 14.6m・・・だと大型トラック(最大で12m弱)よりも大きいので、地上で見れば相当大きいですが、海で見るとやっぱり小さいかも。 ここで製品化された『MLB-47 USCG』の元になった、実在のアメリカ沿岸警備隊『47-foot Motor Lifeboat(47' MLB)』は単に小さな小回りの効くボート、というだけではなくて、調べてみると意外にすごいことがわかります。 この『47-foot Motor Lifeboat』は、44'MLBの後継として1997年から配備されている標準的なアメリカ沿岸警備隊の救難艇で、カナダの沿岸警備隊でも使われているそうです。 ハリケーンなどの悪天候時に使うことが想定されているのは当然ですが、風速50ノット(92.6メートル毎秒!?ちょっと想像できません^^;)以上の強風、6m以上の波、3G以上の衝撃に耐え、船体が上下逆さまにひっくり返って転覆しても(すべての機能や装備を損なわずに)15秒以内に起き上がることができるそうで、ボートとしては最大級のこのクラスとしては異例のタフな船です。 日本の海上保安庁の救難艇でも『ひっくり返っても起き上がる』というボートがあったのは間違いありませんが、調べてみても大型の巡視船に載せられている『高速警備救難艇』(最大で7m型)のどれかが恐らくこれに当たるだろう、という程度のことしかわかりませんでした。 435馬力のディーゼルエンジン2機で2軸のスクリュー推進、最大25ノット(46km/h)、巡航22ノット(41km/h)と意外に非力で低速な気もしますが、悪天候時の使用も前提なので、ハイパワーな高速艇にしても意味がない、というのもあったのでしょう。 乗員4名で、他に5名(表記が本当なら救助した人を含みます)しか乗れないというのも大きさの割に意外に少ない印象ですが、ひっくり返ったりすることも念頭に置いた船ならではの制約があるのかもしれません(椅子に座らせてシートベルトをさせないといけない、とか。憶測ですけど。)。 室内2箇所、室外2箇所の計4箇所から操船することができるそうですが・・・その方が何か便利なんでしょうか^^; 武装として、M240・7.62mm機関銃を2丁装備することができるそうです。 現在も建造中で、5年以上かけて約200艇の配備計画があるうち、1997年から2008年5月の時点で117艇が配備されている・・・ということです。 ちょっと配備計画は遅れ気味なのかも。 ひっくり返ったりする迫力満点の実艇の映像です。 http://www.youtube.com/watch?v=Y3HdMe4zOx4 最初にこのブログでSLの『MLB-47 USCG』の映像を拝見した時は、ずいぶんずんぐりむっくりした不恰好な船を作ったものだなぁ、という気もしましたが、こうしてタフで頼りになる船だとわかるとちょっとかっこよく見えてくるから不思議なものです。
※長文につき、興味のない方や読みたくない方は読まないでください。
返信削除また、ご迷惑でしたら直ちに削除していただいて構いません。
アメリカ沿岸警備隊(USCG)の船舶は通常『カッター』と呼ばれるような気がするのに、『MLB』ってなんだろう・・・ということで調べてみました。
MLBとは『Motor Lifeboat』の略で、直訳すれば『救命艇』、意訳すれば『救難艇』と呼ばれる小型のボートのことでした。
カッターとはアメリカ沿岸警備隊では長さ65フィート(約20m)以上の船舶に対して呼ばれるそうで、この救難艇は47フィート(正確には47フィート11インチ、14.6 m)しかないために、カッターではなく、ボートに分類されるそうです。
14.6m・・・だと大型トラック(最大で12m弱)よりも大きいので、地上で見れば相当大きいですが、海で見るとやっぱり小さいかも。
ここで製品化された『MLB-47 USCG』の元になった、実在のアメリカ沿岸警備隊『47-foot Motor Lifeboat(47' MLB)』は単に小さな小回りの効くボート、というだけではなくて、調べてみると意外にすごいことがわかります。
この『47-foot Motor Lifeboat』は、44'MLBの後継として1997年から配備されている標準的なアメリカ沿岸警備隊の救難艇で、カナダの沿岸警備隊でも使われているそうです。
ハリケーンなどの悪天候時に使うことが想定されているのは当然ですが、風速50ノット(92.6メートル毎秒!?ちょっと想像できません^^;)以上の強風、6m以上の波、3G以上の衝撃に耐え、船体が上下逆さまにひっくり返って転覆しても(すべての機能や装備を損なわずに)15秒以内に起き上がることができるそうで、ボートとしては最大級のこのクラスとしては異例のタフな船です。
日本の海上保安庁の救難艇でも『ひっくり返っても起き上がる』というボートがあったのは間違いありませんが、調べてみても大型の巡視船に載せられている『高速警備救難艇』(最大で7m型)のどれかが恐らくこれに当たるだろう、という程度のことしかわかりませんでした。
435馬力のディーゼルエンジン2機で2軸のスクリュー推進、最大25ノット(46km/h)、巡航22ノット(41km/h)と意外に非力で低速な気もしますが、悪天候時の使用も前提なので、ハイパワーな高速艇にしても意味がない、というのもあったのでしょう。
乗員4名で、他に5名(表記が本当なら救助した人を含みます)しか乗れないというのも大きさの割に意外に少ない印象ですが、ひっくり返ったりすることも念頭に置いた船ならではの制約があるのかもしれません(椅子に座らせてシートベルトをさせないといけない、とか。憶測ですけど。)。
室内2箇所、室外2箇所の計4箇所から操船することができるそうですが・・・その方が何か便利なんでしょうか^^;
武装として、M240・7.62mm機関銃を2丁装備することができるそうです。
現在も建造中で、5年以上かけて約200艇の配備計画があるうち、1997年から2008年5月の時点で117艇が配備されている・・・ということです。
ちょっと配備計画は遅れ気味なのかも。
ひっくり返ったりする迫力満点の実艇の映像です。
http://www.youtube.com/watch?v=Y3HdMe4zOx4
最初にこのブログでSLの『MLB-47 USCG』の映像を拝見した時は、ずいぶんずんぐりむっくりした不恰好な船を作ったものだなぁ、という気もしましたが、こうしてタフで頼りになる船だとわかるとちょっとかっこよく見えてくるから不思議なものです。